短時間数分で英会話を劇的に改善する「時間稼ぎ」の魔法
もうちょっと時間があれば言葉が出てきそうだったのに…
ワーホリに行ったり、英会話学校に通ったり、英会話をしている人なら、そんなこと一度を思ったことがあるかと思います。
会話が流れてしまったすぐ後に「あっ!あぁ言えばよかったんだ!」と気づいたり、
必死に考えるあまり無言になってしまって「大丈夫?」と尋ねられたり…
でも実はわずか数分で覚えられるちょっとした単語と、コツを知るだけで、うまく時間を稼ぎながら、英会話を俄然それっぽく、そして断然会話として成り立たせることができるようになります。
今回はそんな時間稼ぎの言葉を紹介します。
時間稼ぎの魔法とは
今回お話する時間稼ぎの魔法。
それは英語ではFiller Wordと呼ばれる言葉になります。
日本語で話している時、「えー」とか「あー」とか「ほら」とか言ったりしますよね。アレです。言葉として意味はないけれどすぐに言葉が思いつかなかった時に使うことがあるはずです。
英語の場合、よく使われるのがWell...とかI mean...とかYou Knowとかいう言葉になります。単純に意味のないUmm...などの音を出すこともあります。
一見意味のないこれらの言葉ではありますが、実は使いこなすことさえできれば実は大きな力を発揮するものなんです。
意味はないが無意味ではない
この部分はとってしまっても全体の意味には影響がありません。じゃあこの部分が無意味であるわけではありません。
僕たちが会話の時、「あー」とか「えーと」とか「要するに」とか声を出している時、脳みそはフル回転して次に発する言葉を探しています。要はこうした言葉で間をもたせつつ、数秒考えるための時間を稼いでいるんですよね。
これは簡単な言葉を口に出すことで、会話相手に「私たちの会話は続いていますよ」「あなたのボールは受け取りましたよ」と示し、「でもまだ言葉が出てこないのでちょっと待ってください」と示しているわけです。
ネイティブが使っている実例
英語の場合も、実は同じ。まずはこのYoutubeの動画を見てください。
この映像は今、文章を書きながら適当に探したものです。
見てもらうとわかると思うのですが、キアヌリーブスはこのインタビューの中で結構な頻度で、このFiller Wordを言葉を使っています。
キアヌ・リーブスの時間稼ぎ
例えば20秒から25秒までの5秒間、彼の発した言葉は
Oh. Umm. you know...
です。どれを取っても一つとして意味のある言葉ではないただの時間稼ぎ。
その後も彼は32秒くらいまで「俺は普通の男で・・・」という意味合いの文章を、間に「You know」という言葉を二回も挟みながら喋り、話すことが決まったのであろう33秒あたりからは突然スラスラっと話始めるのです。
もっともキアヌ・リーブスはこうしたFiller Wordsを多用することで有名な人ではあります。しかしたとえネイティブから見ればたどたどしいと聞こえたとしても、非ネイティブからすれば彼のように喋られるなら十分に感じられるでしょうし、何より5秒10秒と考える時間が確保できるのことが何より重要なポイントです。
ではなぜあまり意味のない発言をしているのに関わらず、それほど不自然に感じられないのでしょう。その鍵はFiller Wordを使って会話のリズムを確保しているところにあります。
会話のリズムとは
会話のリズムということをお話しする前に、まずこちらの文章を見てください。
会話1
A:今日風強いねー
B:あー、なんか台風近づいてるらしいよ
A:え?マジ?来週の運動会どうなるんだろ・・・
B:いや、それは大丈夫じゃない?その頃には通り過ぎてるだろうし
A:そっか!なら安心だね!でも今年もう台風2個目だっけ?今年台風一家子だくさんだよねー
B:何?
A:だから台風一家。子沢山だよねーって
B:ああ・・・いや、台風一過って台風が通りすぎた時に綺麗に晴れたりする時のことを指すんであって、台風ファミリーって意味じゃないよ
A:え!?そうなんだ知らなかった!
会話2
A:今日風強いねー
B:・・・(愛想笑い)
A:ん?あれ?あの、今日風強いよね?
B:・・・
A:えーと・・・
B:そうだね!今日風強いよね。なぜなら台風が近づいているからね。でも来週の運動会には影響ないと思うよ。台風の進行具合からすればその頃には、台風は通りすぎているだろうからね。あ、念のために言っておくけど、台風いっかって言葉は一過であって、一家じゃなんだよ!
A:え・・・あぁ、そう。うん。へぇ、そうなんだ・・・
読んでもらってわかるように、Bが持っている情報量は会話1でも2でも、全く違いはありません、会話としては会話1の方がスムーズに流れています。
会話2におけるBの何が問題かといえば、自分が言いたいことを全部言おうと情報を全部詰め込むあまり、相手との会話のリズムを無視してしまってるんですよね。
最後の発言は確かに言うべき情報がぎゅっと詰まってはいますが、相手の反応はどうでしょう。
多分「何こいつ?ああ・・・もう帰りたい」と思っているはずです。
英語コミュ障は改善できる
この会話の例はちょっと極端かもしれませんが、日本語の会話では会話1のように話せても、英語での会話にでは会話2のようになっちゃう人、しないといけないような気になっている人って多いんですよね。
要は何を話せばいいのか、どの文法を使えばいいとか。そういうことを考えるあまり、何を言えばいいかと言葉を探してる間固まってしまう。
失敗を恐れて、より大きな失敗を繰り返すのはやめよう
日本の英語教育って基本テストを基本とした原点方式。だから英語で話す時も最初の一文で完璧に喋らなきゃいけないような気になる人多いんですね。
でも英語も言語だから日常会話では無駄が多いし、会話においてはいちいち完璧な文章を話すより、相手とのコミュニケーションがスムーズにいっているかどうかが優先されます。
だから最高の一文を考えるために黙り込んでしまうのは最悪の悪手です。
英語は後から付け加えられる
英語は日本語よりも後から言葉を追加していきやすい言語です。
例えば何かの使い心地を”How was it?”と尋ねられ、とりあえず”It was good”と返答した後で誰にでもオススメできるわけではないと気づいたのなら、”...well..for me”というような感じで付け加えて行くことは自然にできるのです
相手の身になって考えても見てください。あなたがネイティブだとして何とか会話しようと話しかけても、伝わっているんだか伝わっていないんだかわからない変な半笑いを浮かべるだけで何も喋らない。
そんなアジア人ともし1対1で話さなきゃいけないことになったら…多分向こうからしてみれば”What a hell is he?I wanna go home...”ですよね
Filler Wordを使って考える時間を確保しよう
さて考える時間が欲しい、でも黙りこむわけにもいかない。
そんな時に使えるようになっていると便利なのが、Filler wordなわけです。
英語の先生方はどういうか知りませんが、別にえー、あーとかでもね。黙ってるよりはいいです。
ただ英語のFiller Wordって種類が多いから、それを覚えてちょっと使ってみるだけで会話は「それっぽく」なるし何となく英語が上達したような気になれる。自分の英語に自信が持てるきっかけになるんです。
モチベーションって大事です。自信がわけば、どんどん話かけられるようになる。話しかける機会が増えれば、上達も早くなる。
Filler Wordの実例
じゃあ、こんなFiller wordの中でも日常で使いやすい言葉をいくつかピックアップして紹介します。
- Well(ウェル) 日本語で「えーと」「あー」を使う感覚で使う。話の途中でも使えるけど、どちらかと言えば話はじめる時に使うと自然に聞こえると思う。ネイティブがウェェルなどのように音を引き伸ばして使っているのもよく聞く。
- You know(ユ ノウ) 「まぁ」「ほら」的に使う。別に本当に相手が知ってそうなことじゃなければ使っちゃいけないわけではない。話出しではなく、Well..you know...といった感じで二語目に使うとか、文章の途中で使うのが自然。
- I mean(アィ ミン) 「まぁ」「要は」的に使う。話している文章の途中で言葉に詰まった時などに使うと自然な感じ。
- Hmm...(フゥン) 「えーと」。話だしに使う。単体で使うより、他のFiller Wordと組み合わせて使うことが多いかな。
- That's a good question 相手の質問への返答として使う。直訳すれば「いい質問だね」だけど、言外に「答えるの難しいな、ちょっと考えさせて」という意味を含んでいます。そこにあえてLet me think (考えさせて)などを加えることで10秒くらい稼げたりするので、相手の質問への返答に詰まったら使いましょう。
- Let me see 相手の質問への返答時に。そんな複雑でもない質問にGood Questionを使いまくるわけにはいかないので、比較的簡単な質問に答えるときに使います。日本語で言えば「そうだなぁ…」とかそういう感じで使えますね。
- What's it called?「ほら。あれ、なんだっけ?」的な言葉。英語わからないなら、わかる人(会話相手に聞いちゃおう)というやり方。わかる言葉をLike...(みたいな)で繋げて、最後にこれをつけると自分は難しい単語を知らなくても会話は続けられます。他にもWhat's the word?(なんて単語だっけ)とかでもいいかな。
このほかにもUmmm..(アーン)Uhh(アー)と言った音だけのものからHow can i expalin it? と言ったものまで、わずかに言い回しを変えるだけでかなりのパターンに対応できます。最初から全てを覚える必要はないので、まずは黙りこまず、沈黙の代わりにFiller Wordに置き換える形で使い勝手を覚えるようにしてください。
まとめ
会話はよくキャッチボールにたとえられますが、英語も例外ではあるません。いくら高い文法力や単語力を持っていたとしても、相手との会話のリズムを無視してしまえば英会話は成り立ちません。
ですがこれは逆に、リズムを維持できるのならば高い文章力がなくても会話を続けられることを意味しています。
日本語での「えー」など同様、乱用は禁物ですが使いこなすことができれば絶大な効果を生み出します。
簡単なフレーズの組み合わせで、会話そのものの形は維持しながら次の話す言葉を探すことのできるFiller Wordは英会話の初心者から上級者まで、誰でも使えるテクニック。
覚える労力は低く、使いこなせれば効果は高い。Filler Word。ぜひ試してみてください。