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ペットの犬に「空軍大将」?タイの新国王、ワチラロンコン国王ってどんな人?

2016年12月1日。先代プミポン国王崩御から一ヶ月半の空位を経て、ついにワチラロンコン皇太子が王位につくことを受託、新国王に即位しました。

新国王と確執があるとも噂されていたプレーム氏も継続して枢密院議長に就任。政治的な混乱は特にない。しかし一方で3日には、新国王を批判的に分析した英国BBCの記事を、Facebookにて共有した男性活動家が不敬罪*1で逮捕されるなど、少し不穏な滑りだしのようにも見えます。

 

ではこのワチラロンコン王。いったいどんな人なんでしょう。

 

 

 ワチラロンコン王とは

ワチラロンコン王は1952年7月28日にプミポン前国王の長男として誕生。現在64歳。

ちなみにワチラロンコンとはタイ語で「宝石、落雷にて彩られしもの」と言う意味を持つそうです。結構おしゃれな意味なんですね。

 軍人としてのキャリア

13歳まではバンコクの学校で過ごし、その後は英国の私学校へ。その後オーストラリアのシドニーに渡って高校卒業した後は、キャンベラにある王立軍学校で学んでいます。その後も軍人としてのキャリアを積み、タイだけでなく、アメリカ、英国、オーストラリア軍で訓練を受けているそうです。パイロットの資格を有していて、民間機だけでなく、戦闘機にも乗れる資格を有しいるのだとか、しかも海外に行く時は自分でボーイング737を操縦するらしい。

 

なぜ新国王は評判が悪いのか

これだけ聞くと、即位前からリーダーとして率いるための経歴を積んできたように思えます。 しかしこの王子どうも評判が悪い。なぜかと思い調べてみると、これはどうやら皇子時代の私生活が原因のようです。

公務を置いてプレイボーイ生活

皇子は若い頃からあまり公務に対して積極的な姿勢を見せず、週末になれば若い女性を連れ出して遊ぶという生活を続けていたため、母親であるシリキット王妃からも「あの子はちょっとドンファン*2よね」と言われるほどだったとか。

 

これだけであれば若い頃の過ちだよね。

ということで許されるのでしょうが、実はまだまだこんなものではありません。

3度の離婚

新国王はこれまで3度離婚していますが、特に最後の妻であるシーラット妃の場合、2009年人前で裸になることを王子によって強制されていると見られる動画が流出。

2014年に妃との離婚が決まり、シーラット妃の王族としての資格が剥奪されるや否や、シーラット妃の両親を含む、親族、関係者らが次々と王子に対する不敬罪で逮捕されています。

プードル空軍大将

また最近ではタイ航空の元客室乗務員でありスシーダという名前の女性と付き合っていると言われていますが、彼女は今親衛隊中将。ちなみに似たような話は他にもあり、ワチラロンコン王のペット、プードルのフーフーは空軍大将です。

 

このような、王子時代の力の乱用とも言える行為が信頼を落としていると言われる要因かもしれません。

 

王となって何をなすのか

それでもワチラロンコン王は正当な王位継承者です。

姉のウポンラット妃はアメリカ人男性と結婚したために、王位継承権がなく。

国民からの人気が高いシリントーン王女はワチラロンコン王の妹です。

プミポン王にしても、長男であり正当な王位継承者であった王子を外すという選択肢は最後までありませんでした。

 

即位式ではワチラロンコン王の資質より、プミポン王の元で王子であった44年間の経験を重視した紹介がなされました。

 

どんなに優れた人物であったとしても、プミポン王のように70年にもわたり尊敬される王であり続けたプミポン王を超える尊敬を受けるのは、並大抵のことではありません。

人格者として知られた前王だけでなく、悪徳をも知る姿勢は、美しさだけでないタイという国を見てきた証とも言えるかもしれません。

 

王となったワチラロンコン王がこれから、どちらの方向に向いていくかは、まだわからないところでもあります。一つ分かるのはこれからのタイのイメージは彼によって形作られていくこと。国民の期待は大きそうです。

*1:国王、王妃、王位継承者あるいは摂政に対して中傷、侮辱などを行った際に適応される刑罰。3~15年の実刑が下される

*2:スペインの伝説上のプレイボーイ。遊び人の代名詞として使われる